全層釣法のフカセ釣りでチヌを釣る!!

全層釣法・全遊動釣法でチヌを釣るための覚書

【フカセ釣り】水中で目立つマキエが有効な理由

 

マキエに期待される効果 

 マキエに期待されることは、①魚を寄せること、②長くその場に留めることです。

 

 では、魚を寄せる要因はなんでしょうか?

 

 個人的には「水中でいかに目立つか」を重要視しています。目立つ要素としては次のものが考えられます。

 

【水中で目立つための要素】

1.マキエの色が白いこと

2.拡散性が高いこと

3.ふんだんな煙幕が出ること

 

 白い煙幕が拡散することで視覚的に目立つはずです。そして、ふんだん煙幕を出すには拡散性の高さも必要です。

 

 補足となりますが、視覚への訴えかけを重要と考えることには根拠もあります。

 

 黄色くコーティングされた針をエサをつけず流したことがあります。すると魚が食ってきたのです。ただの針ですから、味も香りもありません。その魚は視覚のみを頼りに食ってきたのです。

 

 また、なぜかボラはオレンジ色のウキに反応することを私たちは経験しているはずです。

 

白い集魚材がおすすめ

 水中で目立つには、色が白いこと、拡散性が高くふんだんに煙幕が出る必要があります。

 

 チヌ用集魚材の白いタイプは、基本的に比重が軽く、拡散性が高い傾向にあるようです。

 

 集魚材を複数組み合わせる場合には、白いタイプを一袋選んでおくとよいと思います。

 

マキエを撒かないと釣れない理由

 魚の視力は低く、光の届きにくい水中でいること、水の濁りも考慮すると、非常に見えにくい環境に魚はいると思います。

 

 広大な海にマキエを撒かず、サシエだけを流しても本命はアタってきません。おそらく、エサに気づかないというシンプルな理由でしょう。

 

 マキエを撒けば、そこに本命の魚がいるわけなので、サシエを流し込めば食ってきます。ヒットする確率は、素流しに比べ極端に高ます。

 

 しかし、その部分に魚が寄っていたとしても、魚が明後日の方向を向いている時にサシエが通過したのでは不運にも気づかれずに終わってしまいます。よって、魚の顔をマキエに向け続けておくことが大切だと思います。

 そのためにも、コンスタントにマキエを打ち続けることが欠かせません。

 

チヌの警戒心を解くためには

 たとえば、赤ちゃんに何かを差し出してみると、赤ちゃんはそれが何であるか知らないにも関わらず、手を伸ばし触ろうとします。

 

 興味をそそられ、行動を起こすようです。手を伸ばした先にあるものが、おいしい食べ物であれば、赤ちゃんは喜びます。しかし、それは結果論であり、手を伸ばした段階では、それが何であるのか分からなかったはずです。

 

 この考え方を応用して、チヌを理解できないでしょうか。

 

 チヌは高い警戒心と好奇心を併せ持つ魚だと聞きます。

 

 チヌがマキエを「マキエ」と認識できるはずがありません。水中に広がるマキエを見ても、そこにある「なにか」と認識しているにすぎません。おそらくあるとすれば、それが危険か否かという本能的警戒心のみだと思います。

 

 良い匂いがするので興味を誘われ、近くまでは寄ってくるかもしれません。しかし警戒心が高いため、すぐにマキエの中心に寄らない可能性があります。

 

 たしかに本来、海に存在しないはずの謎の煙幕は警戒に値すべきものです。

 

 もしかしたら、警戒心からそれ以上は近寄れず、少し離れたところで様子を見ているチヌの背中を後押しするのに、香りやフェロモン剤、ヒラヒラ落ちる固形物の視覚的刺激が効くのかもしれません。

 

 私は次のように考えます。

 

1.本命の魚が寄ってくる順序的には、水中で目立つ煙幕を遠目に目撃する。あるいは、拡散したマキエの香りにつられて寄ってくる。そして、好奇心からある程度まで近寄る。

 

2.いまだ好奇心と警戒心の狭間におり、マキエの中心に入り込むことにはためらう。

 

3.近寄って初めてヒラヒラ、ユラユラと落ちる固形物を目撃し、香りやフェロモン剤でさらなる刺激を受ける。さらにはマキエへ群がり、食欲を満たすエサトリ達を眺める中で、徐々に警戒心を緩める。

 

4.やがて、好奇心が警戒心を上回り、マキエの中心へと移動する。

 

 これが私にとっての集魚理論です。

 

 マキエの真ん中に仕掛けを投入しても、なかなか食ってこない時に、その地点から5m程度離れたところに仕掛けを入れると、食ってくることがある現象の説明が可能になります。