張らず緩めずとは
全層釣法では仕掛けを狙いのタナまで沈めるために、道糸を必要に応じて送る必要があります。
その際には「張らず緩めず」を意識して道糸を送ることが推奨されています。
穂先から海面まで垂らした道糸が緩みすぎて糸ふけが多く出ていたり、反対に道糸がピンピンに張ってしまうことはよくないとされているのです。
道糸が緩みすぎな例
穂先から海面まで垂らした道糸の糸ふけが多すぎます。全層釣法ではあまりよい形とはされていません。
これでは仕掛けにテンションが掛からないため、必要以上に仕掛けが沈下してしまったり、ウキが先行して流れてしまったりするからです。
とはいえ私の場合、仕掛け着水直後〜後打ちマキエを投入している間はわりと緩めに道糸を垂らしていることもあります。
道糸を緩めに送った場合、仕掛けを素早く沈下させることが可能です。
道糸が張り過ぎな例
道糸が張っているので、このままでは仕掛けを送り込むことができません。仕掛けをなじませたい場合は、もう少し道糸を緩める必要があります。
また、あまり張りすぎると仕掛けが手前に寄ってきてしまいます。
仕掛けがすでに狙いのタナまで到達しており、アタリを待つための「張り」であるなら問題はありません。
道糸の送り方
私のイメージではまず「しの字」の形で道糸を垂らします。
やがて仕掛けの沈下と潮によって流された分だけ道糸が張っていきます。徐々に道糸が「ノの字」の形に近づきます。道糸が張ったら、再び「しの字」を作り道糸を送っていきます。
実釣では下の写真のようになります。
①道糸送り始めの段階
「しの字」に近い形です。
②徐々に道糸が伸びていく
③この辺まで道糸が張ったら、再び「しの字」を作る
これを繰り返すことで道糸が海中へと抜けていきます。
仕掛けが底まで到達しても、潮が動いている場合はその分仕掛けも動くので、必要に応じて道糸を送り続ける必要があります。
サシエがマキエ付近にある場合は、道糸をやや張り気味にしてもよいと思います。少し張ることで、アタリが分かりやすくなり、仕掛けの流れるスピードが少しだけゆっくりになります。
④道糸に張りを入れた状態
まとめ
今回図を用いて説明した「しの字」や「ノの字」の形についてはあまり厳密に堅苦しく考える必要はありません。
あくまでこのようなイメージであれば良いと思います。
実釣においては足場の高さ、風の強弱、潮の速さ、上潮の滑り方などの条件によって穂先から垂らした道糸の形は変わりますし、送り方も変わってきます。
例えば横風がある場合は、垂らした道糸に張りが生まれ弧を描くため、いつもより多めに道糸を垂らしておいても問題はないと思います。風が「張らず緩めず」を作ってくれます。
また、潮が速い場合は「しの字」や「ノの字」を作ってもあっという間に道糸が張ってしまうので、こういう場合はオープンベールのままスプールに軽く指を当てておき、潮に引っ張られた分だけ道糸を送るというやり方になると思います。
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