何秒でどれくらい仕掛けは沈下しているか
今回はネリエとオキアミ、そしてガン玉が10秒間でどれくらい沈下しているのかをみていきます。
もっとも、実釣においては潮流、風、仕掛け投入距離、ハリスの抵抗、エサの付け方、仕掛けの送り具合など、さまざまな要素が複雑に絡み合い、仕掛けの沈下速度が変化していきます。
それら全てを考慮することはできないので、およそのイメージとして考えていきます。
ネリエとオキアミとガン玉 沈下速度の比較
マルキュー沈下表の活用
私は普段マルキューのネリエとオキアミを使用していますので、マルキュー製品をもとに考えてみます。
マルキューのサイトにはサシエの沈下速度表が掲載されているので、今回はそれを参考にします。
マルキューHP 「海釣り用くわせエサ・練りエサタイプ 沈下表」
https://www.marukyu.com/marukyu/esa_umi_kuwase/chinka/umi_kuwase_201702.pdf
この表には、10秒間に何m沈むかが記されています。
・くわせオキアミスペシャルLは10秒間で0.9m沈下
・食い渋りイエローは2.15m沈下
・高集魚レッド2.6m沈下
これぐらいの沈下速度になるようです。
マルキューさんに問い合わせたところ、針とハリスはついていないエサ単体での沈下速度であり、ネリエはパチンコ玉サイズに丸めた際の沈下速度であるとの返答をいただきました。
ネリエとオキアミの沈下速度
上記の数値ではなんとなくスッキリしないので、以下の簡単な数値で考えたいと思います。
・加工オキアミは10秒間で約1m沈下
・食い渋りイエローは2m沈下
・高集魚レッドは2.5m沈下
ガン玉(落としナマリ)の沈下速度
先ほどのサシエの沈下速度と、ガン玉の沈下速度を比較してみます。
ガン玉は打つ位置によって大きく沈下速度が異なります。針に近いほど速く沈みます。
今回は落としナマリを考えます。道糸とハリスの結合部分すぐ下のハリスに打つガン玉を落としナマリと呼びます。
ハリスを5mとり、落としナマリにG3(ジンタン3号)を1cm間隔で2個つけた場合を想定します。
シマノインストラクターの百合野崇さんの考えが、以下のように紹介されています。
『イメージでは沈んだウキはサオ一本分のタナに留まり、ウキからナビまではタテにイトが抜け、ナビからネリエサまでのハリスは真横になって沈降。ナビ下に噛ませたG3×2のシズはネリエサと同等の重さと考えており、ウキからナビまではタテに直線、ナビからネリエサは真横になることから仕掛けはL字を描いて高速で海底に届けられる。この釣り方を百合野さんは「高速スルスル」と称した。 』
シマノ HP 「ベタ底で自信をもってアタリを待つ 百合野崇が体現するクロダイ釣技の現在形」
http://fishing.shimano.co.jp/isobohatei/yurino_japancup_kurodai/02.html
私自身、落としナマリG3×2とネリエの沈下の様子を観察し、ほぼ同速で沈下していくのを確認しています。
この観察は足元に仕掛けを投入し、道糸を緩めて、落としナマリへの抵抗を極力排除した際のものです。
ネリエは10秒間でおよそ2m沈下するので、G3×2の落としナマリも同じ沈下速度であると考えられます。
ということは、落としナマリがG3ひとつの場合は、10秒間に1mほど沈下すると考えられます。
落としナマリG3とサシエの沈下速度に関しては、1000釣法の考案者である池永祐二さんが、以下の動画にて言及しています。
tsurikenmovie『大物グレが連続ヒット!誰でも簡単「1000釣法」完全解説』https://youtu.be/uDfax28UQGA
潮のない所でウキ下のハリスを2ヒロとった場合、落としナマリG3とサシエのオキアミは平行に沈下すると明言しています。
私自身、落としナマリG3とオキアミの沈下速度は、ほぼ同速であると確認しました。
先に触れたように、足元に仕掛けを投入し、道糸を緩め、落としナマリへの抵抗を極力排除した際の結果です。
上記沈下表にある通り、オキアミはネリエのおよそ半分の沈下速度になります。これもやはり百合野さんと池永さんの言及、私の観察とも一致しており矛盾はありません。
実釣での考え方
たとえば水深が8mあり、ハリス5m、落としナマリG3、ネリエの仕掛けならば、道糸を3mちょっと抜けばサシエを着底させることが可能となります。
落としナマリG3が3m沈むためには、30秒間道糸を送ることが必要になります。そして、その間にネリエは倍の6m沈下しています。これ以上道糸を送らずとも、あと10秒待てばネリエは着底することになるでしょう。
もし落としナマリをつけなかった場合、ハリス5m分がなじんだ後、ネリエが道糸を引っ張りながら沈下するため、沈下速度が低下し着底までの時間を遅らせることができます。
まとめ
今回紹介した10秒あたりの沈下速度は厳密なものではありません。
実釣ではさまざまな要因が絡んでくるため、そこまでを考慮はできないからです。
しかし実際のところ、時間を測りながら釣りをするわけではないので、厳密な数値である必要もないといえばないのです。
「そろそろ着底する頃かな」や「いま4mくらいサシエが沈んでいる頃」とイメージできるだけでも釣りが豊かになると思います。