ハリスは水中で抵抗を受けている
水中でハリスが受ける影響を無視することはできません。
ハリスが沈下するということは、元々そこにあった水を押しのけてハリスが沈下することになります。
よって、潮の流れがなくとも、ハリスに対してかなりの抵抗が生じることが推測されます。その結果仕掛けの沈下速度にブレーキがかかります。
そして、潮が流れるほどこの影響は大きくなると考えられます。
ハリスの抵抗を確認するいくつかの実験
場所は風呂場で行いました。浴槽に水を50cmほどためています。
実験1 ハリスが沈下速度に及ぼす影響
ハリス1.5号を1mほどとります。一方の端にG5(A)を打ち、25cmほど間をとってもう一つG5(B)を打ちます。
ここでは区別のために、それぞれのジンタンをAとBとします。実釣でいえばAはサシエ、Bは口ナマリに相当します。
そしてAとBの間のハリスをC(25cm程度)、B上のハリスをD(70cm程度)とします。
ハリス全体の表面張力を切った状態でAとBを同時に沈下させると、Bの方が沈下スピードが遅くAの方が早く着底します。
以下の図のとおりです。
AとBはともにG5です。にも関わらず、AとBでは沈下速度が異なります。やはり、B(実釣では口ナマリにあたる)はD部分のハリスに生じた抵抗によって沈下が遅れるようです。
BはD部分のハリスを引っ張りながら沈下するため、沈下速度にブレーキがかかるのでしょう。
ちなみにBの箇所に打ったジンタンをG3(0.25g)に変えても、A(0.16g)のほうが早く沈下します。
実験2 ネリエとジンタン5号の沈下比較
チヌ針短軸1号にネリエ(食い渋りイエロー)をつけ、ハリスを25cm程度とり、ハリスの端にG5を打ちます。
ハリスの端にネリエとG5がある状態です(実験1でいえばD部分のハリスがない状態)。
同時に沈下させると、ネリエの方がほんのわずかに遅れて着底します。
実験3 ネリエとジンタン5号にハリスが及ぼす影響
実験2のまま、ハリスだけ1mに変更します。実験1のD部分のハリスが実験2に加わった形です。
ハリス全体の表面張力を切り同時に沈下させると、ネリエとG5はほぼ同時の着底、もしくはネリエがわずかに先行して着底するようでした。
やはり、ここでもB部分の口ナマリは沈下が遅れています。
水深50cm程度での実験なので、差がしっかりでる前に着底しますが、5mなど水深がある場合ではもっと顕著な差となって現れると思います。