雨は釣果に影響するのか
夏場であれば3〜5mm程度の雨の中で、冬場であればポツポツとぱらつく程度の雨の中でチヌ釣りをした経験があります。
通常その程度の雨ならば、活性が下がることはないように思います。むしろ多少の雨の方が、よく釣れるような気がしないでもありません。
流石に大雨の中、釣りをしたことはありません。
今回テーマとしたいのは、雨の翌日、とくに大雨や一日中雨が降り続いた翌日の釣行についてです。
雨翌日の海水温の低下
雨による海水温の低下は、特に冬場に注意が必要だと思います。
厳寒期では前日に大雨が降ると海水温の低下によるチヌの低活性が懸念されますが、実際には一概にそう言い切ることもできないようです。
丸一日以上、真冬の雨が降り続いた翌日であっても、わりと普通に食ってくることもあります。
しかし、次の点に関しては注意が必要な場合もあります。下げ潮になることで海水温の低下が生じることがあるのです。
厳寒期の雨の翌日には、河口と河口付近ではこのようなことが起こることがあります。
おそらく、下げ潮になると、ある程度の水温を保った海水は沖に流れ、雨水を含んだ低水温の淡水が相対的に増すことで海水温の急激な低下が起こるのだと私は考えています。
そのため場合によっては、下げ潮に変わって間もなく海から生命反応が消失することがあります。
厳寒期の雨の翌日に河口および河川の流入するエリアで釣りをする時は、上げ潮、下げ潮に注意して計画を立てた方が無難かもしれません。
雨翌日の塩分濃度の低下
まとまった雨の翌日には、釣り場が河口でなくても、雨により表層の塩分濃度が低下し、河口で見られる二枚潮に近い状態が作りだされることがあります。
あるいは外海に面した釣座であっても、潮の向きが変わるなどした際に、一時的に一気に塩分濃度の低下が生じることがあります。
潮が変わって間もなく、面白いもので、突然ラインメンディングができなくなったりします。
潮が変わり、前日の雨水が釣り座へと流入することで、濃度が下がり道糸が海中へと沈み込んでしまうためだと思います。
私が経験した時は20分程度の短時間の塩分濃度の低下でした。塩分濃度が回復してほどなく、チヌが食ってきました。その日はエサ取りもなく、あまり活性が高いとは感じませんでしたが、このような状況でもチヌが食ってくるタイミングもあるようです。
また大雨の翌日の河口は釣りが難しいと感じます。淡水の流入量が増えることで上潮がいつも以上に速くなる可能性がとても高いのです。
とくに河口のなかでも海との境目というよりは、ずいぶん上流に位置する釣り座では、フナやコイなどの淡水の魚が目立ち、チヌが姿を消すこともあるようです。
このような釣り場では、翌日、翌々日の釣行は慎重になったほうが良いかもしれません。
基本的には台風の後など大雨翌日の河口での釣りは、あまりお勧めしません。上潮が速く、ゴミが流れてきたり、泥濁りであったりします。このような河口で、よい思いをした記憶はありません。チヌの活性が下がっているか、沖などへ避難しているのだと思います。