全層釣法・全遊動の隠されたアドバンテージ
全層釣法・全遊動の強みを紹介します。一般的には、食い込みの良さ、全層を狙えることなどが挙げられることが多いようです。
しかし、私はそれ以外の部分に大きな利点を感じています。
今回はあまり注目されていない、あまり言及されることのない、しかしながら、非常に大きいと思われるアドバンテージを取り上げようと思います。
また、タイトルにあるようにアドバンテージという言葉を用いました。すなわち、半遊動と比較してのアドバンテージという形で話を進めていくことになります。
半遊動にはない、全遊動特有の強みということになりますが、誤解を招かいないためにも、まずは次のことに触れておこうと思います。
全遊動と半遊動に優劣はないということです。
今回は半遊動の強みには触れません。それは、ここで紹介できるほど半遊動に精通していないという理由によります。
当然、全遊動にはないアドバンテージを半遊動は持っています。
それぞれの釣法に得意、不得意があり、その釣法を活かせるか否かは状況によっても変わってくると思います。
また、グレかチヌかでも変わってくるように思います。
状況ごとに使い分けるもよし、ひとつの釣法にこだわるもよしです。トーナメンターでもなければ漁師でもなく、趣味でやっていることなので、思い思いにやったらよいのだと思います。
それにしても、細部までこだわって考え出すと、全遊動も半遊動も奥深く難しい釣り方であることに気付かされます。全遊動に慣れてしまった今、半遊動はとても難しく感じます。
私がこうして全遊動の強みを紹介するのは、全遊動に親しみがあり自分の価値観に合っていること、そして今、年末で自由な時間があるので、何か記事でも書こうと思い立ったという理由からなのです。
中核的なアドバンテージ
あらゆる状況への幅広く素早い対応
半遊動であれば、ガン玉のサイズを変更する場合、ウキも変えなければなりません。ウキ交換には手間と時間がかかります。
全遊動であればウキを変更する必要は必ずしもなく、ガン玉の着脱のみを自由に行えます。
私は00のウキをもっともよく使います。ウキはそのままで、ノーガンのときもあれば、G3を2つ打つこともあります。
もちろんウキの浮力を変更したり、バランサーを貼ったりすることはあるのですが、ウキ交換せずのガン玉対応のみで済ませることが多いのが現状です。
状況に合わせて、手軽に素早く幅広く対応できるメリットは大きいと感じています。
どれだけ遠投しても5m先でアタリを判断可能
ウキを浮かせた半遊動の場合、50m遠投したら50m先の小さなウキを見続けなければなりません。しかし、条件が良くなければ、それだけ先にあるウキを視認することは困難です。
全遊動では、その困難は存在しません。
全遊動は穂先、あるいは道糸でアタリを判断するため、50m遠投しようが60m遠投しようが、5m先、すなわち穂先を見ていれば、容易に魚の反応を知ることができます。
以上の二つが、私の思う全遊動の中核的なアドバンテージです。
その他にも強みはありますが、上二つに比べるとオマケです。個人的な感覚としては。
補助的なアドバンテージ
道糸にPEラインを使える
全遊動では道糸にPEラインを使えます。副産物的なアドバンテージです。
PEラインについては好き嫌いがあるでしょうが、私にとっては釣りを快適にする重要アイテムです。
半遊動ではPEラインが使えません。ラインの滑りがよいため、ウキ止めがずれてしまい、止まらないからです。
ウキ止めがないことによる食い込み抵抗(ウキ引き込み抵抗)の少なさ
魚がウキを引き込む必要がないため、食い込みがよいと考えられます。
たしかにこれはあると思います。
ただ、半遊動でも普通に食い込んでくるわけで、個人的には、食い込みの良さを全遊動のメリットとして殊更強調することには抵抗があります。
たしかに全遊動のほうが食い込みはよいと感じます。それは半遊動と比べて、針を飲み込まれることが増えるという傾向から理解できます。
食い込みに差が出る局面としては、低活性の状況が考えられます。
低活性時期という限られた状況においては、有利な場合もあるかもしれません。
逆に高活性時期では全遊動と半遊動で、食い込みの差を実感することは少ないかもしれません。
大きなサイズのウキを使える
ウキ引き込み抵抗が生じないため、サイズの大きなウキを使えます。
大きなウキは横風があっても遠投しやすく、潮にも乗せやすいため重宝します。
全層を狙える
言わずもがな、全層を狙えます。これは全遊動の代表的なメリットであろうと思います。
ウキメーカーのキザクラが「全層釣法」として、全遊動を呼称していることからも分かります。
ただ、半遊動であっても軽い仕掛けを使うことで全層を狙うことができるため、全遊動だけの専売特許でもないなと最近思うようになりました。