全層釣法のフカセ釣りでチヌを釣る!!

全層釣法・全遊動釣法でチヌを釣るための覚書

【フカセ釣り】全層釣法・全遊動・半遊動による二枚潮攻略ガイド

 

二枚潮攻略ガイド

 この記事では河口で見られる分厚い二枚潮を想定しています。対象の魚はチヌです。

 

  二枚潮とは表層と中層とで潮の流れが反対だったり、速度が違ったりする状態です。

 このイメージでは表層はわずかに右に動き、表層より下の層は左に強く流れています。

 

 ゆえにウキを浮かせて釣りをした場合、マキエとウキはそれぞれ違う層の流れに乗ることになります。ウキは表層の潮に乗り、マキエは下層の潮に乗るからです。

 

 上のイメージでいえば、浮かせたウキは右にじんわり流れ、マキエは強く左に流されます。よって、同調が困難になります。

 

 とはいえ工夫によりウキを浮かせた半遊動でも二枚潮は攻略できますし、ウキを沈めた全遊動でも攻略することはできます。

 

 ひとまずここでは、ウキは000などの沈むウキを使った全遊動を想定し、水深は5m程度を想定して考えてみます。必要に応じてガン玉を打ちます。

 

 河口の分厚い上潮を突破させるためには、水深が4〜5m程度であってもG3を三個打ちすることもあります。

 

マキエの溜まった位置の予測

 上げと下げで底潮の向きが変わります。上げでは上流に、下げでは下流に底潮は向きます。

 

 上げ潮の場合は下のイラストのようになることもあります。

 一見すると、右から左に表層の潮が流れている時でも、底の潮は左から右に流れていることがあります。

 

全層釣法・全遊動の場合

①底潮まで仕掛けを沈める

 仕掛け投入時の道糸操作について触れます。

第一段階:仕掛け投入

 まずは仕掛けを投入します。道糸処理の関係で、仕掛けが手前に寄ってきます。マキエ投入点よりも何mか沖に投入します。

 

第二段階:一回目の道糸処理 

 仕掛けを投入し、すぐに穂先を底潮まで突っ込みます。場合によっては、竿を半分ほど突っ込むこともあります。

 竿を突っ込んだままリールを巻くか、もう片方の手で道糸を引っ張ります。水面に放出された道糸を海中に引き込むことができます。

 

 しかしながら、この操作だけでは穂先からウキまでの道糸全てを海中深くまで引き込むことはできていないようです。

 おそらく道糸の中央付近やウキ周辺の道糸はあまり沈んでいないと思います。

 

 この道糸処理をした後、ウキが沈むまで少し時間を置きます。

 

第三段階:ウキの沈下を待つ

 時間の経過とともにウキが沈み、周辺の道糸も引き込まれます。たとえば、10〜15秒程度待ってみます。

第四段階:二回目の道糸処理

 ウキが沈んだタイミングで、再度、第二段階と同じ道糸処理を施します。

 第二段階と大きく違うのは、ウキと周辺の道糸が底潮付近まで沈んでいることです。

 この状態で再度道糸を引っ張るのですから、今度こそ道糸全体を底潮付近まで沈めることが可能になります。

 

 ここまでやれば、上潮の影響をあまり受けなくなります。マキエ同様、底潮に乗ってウキは流れるので長時間の同調が可能になります。

 

補足1:第三段階でウキが沈下する時の待ち方

 ウキが沈むのを待つ際、穂先を海中から引き抜いてもかまいませんし、海中に保持したままでもかまいません。私は海中に浸けたまま待つことが多いです。

 

 あとはウキが沈むのを待つ際、必要なだけ道糸を送っても良いですし、一切送らず待っていてもよいです。

 はっきりとは分かりませんが、道糸を送るとどんどん上潮にとられてしまい、うまくいかないことがあります。そういう時は道糸を送らないほうが上手くいくことが多いです。

 

 道糸を送らず待つ際は、それだけウキが手前に寄ってしまいます。それを考慮してより遠投しておきます。

 

補足2:沈めた道糸を海中に残したまま穂先を引き抜く方法

 道糸処理をすることで道糸を海中に引き込むことになります。この時、道糸を海中に残したまま、穂先を引き抜く必要があります。

 

 オープンベールにし、パラパラと道糸を出しながら穂先を抜くと、海中の道糸はずれません。

 

②滑る上潮を利用した仕掛けの流し方

 右から左に上潮が動いているとします。この場合、上潮の影響を受けて、道糸が大きく左に膨らみます。

 道糸がウキを引っ張ることになり、仕掛けが手前に寄りながら流れるようになります。

 

 手前に寄りながら流れることを利用して同調させます。

 

第一段階:潮上斜め沖に仕掛け投入

 左手前に仕掛けが寄ることを考慮して、マキエ投入点よりも右側沖に仕掛けを投入します。

第二段階:道糸が仕掛けを引っ張る

 道糸が左に膨らみ、ウキも左手前に寄ってきます。手前に寄りながら、仕掛けはなじんでいきます。

第三段階:時間差で同調

 さらに仕掛けは手前に寄りながら流され、時間差でマキエと同調します。

 

③潮上に移動して仕掛け投入

 自分自身が潮上に何mか移動して仕掛けを投入する方法があります。これは二枚潮にしろ、横風で上潮が滑っている時にしろ大変有効です。

 

 たとえば、右側に5m移動したとします。そこから仕掛けを投入するので、潮上に対してかなり余裕を持って道糸を置くことができます。

 

 道糸が潮下に膨らんで仕掛けを引っ張るまでの時間を作ることができます。

 仕掛け投入後は定位置に戻ってもよいです。

 

④マキエをするタイミング

 【①底潮まで仕掛けを沈める】で紹介した道糸処理をする時や、【③潮上に移動して仕掛け投入】する時には、マキエは先打ちのみでもかまいません。

 

 もちろんマキエを先打ちして、道糸処理後や仕掛け投入後に後打ちしてもかまいません。

 

 底で釣る場合には先打ちのみでも問題ないのです。

 

半遊動の場合

仕掛けの流し方

 半遊動でウキを浮かせたまま二枚潮を釣ることはもちろん可能です。

 

 ただし長い時間の同調はできません。短時間の同調を狙います。

 

 ちょうど【②滑る上潮を利用した仕掛けの流し方】で触れた仕掛けの流し方と同じやり方です。

 

 マキエをピンポイントで打ち、底に溜めます。潮上に仕掛けを投入し、そのまま流します。仕掛けがなじむのに時間がかかるため、それを見越して潮上数m先に投入します。

 

 仕掛けがなじむ頃には、上潮に乗ったウキが溜まったマキエの上を通過します。

 

 少しでも長く同調させるため、1m程度ハリスを底に這わせて、仕掛けの流れにブレーキをかけても良いと思います。

 

 このやり方は仕掛け投入点を潮上にするだけなので簡単です。けれど問題なく釣れます。

 

マキエは左に、仕掛けは右に

 上潮が右から左に流れ、底潮が左から右に流れている上げ潮を想定してみます。

 

 この場合マキエは投入点よりも右に流れて溜まります。一方仕掛けは左に流れます。

 そういうわけで、マキエと同じ場所に仕掛けを投入していては、まるで同調しないのです。

 

 この潮のパターンでは下のイラストのように、マキエは自分より左に、仕掛けは自分より右に投入すると正面あたりで楽に同調させることができます。

 マキエは底潮に乗って右側に流れます。仕掛けは上潮に乗って手前に寄りながら左側に流れます。

 どこかでクロスするポイントがあるはずです。

 

 理屈の上では同調時間は長い方がよいはずです。けれど私の経験上、どういうわけか全遊動と半遊動の釣りで大きく釣果が違うとも感じません。

 

 面倒な道糸処理をしてまで全遊動を使わなくても、半遊動で3Bとか1号とかのウキを使って釣る方が簡単ではあります。

 

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